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2013年 6月 18日 (火) 16:43:38 JST


PubmedID: 23354051
日時: 2013/06/18 04:06:38
投稿者: 名古屋大学理学部生命理学科 分子修飾制御学研究室 古川和紀さん
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タイトル: インスリン抵抗性と代謝異常にMG53が関与
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肥満や2型糖尿病等の代謝異常の要因であるインスリン抵抗性にMG53(TRIM72)が関わっていることを示す論文です。
これまでにマウスでは、MG53は筋特異的に発現し、筋細胞膜の修復に関与していること、またE3リガーゼ活性を持つことが分かっていました。筆者たちはMG53がE3リガーゼとして働きインスリン受容体(IR)及び、インスリン受容体基質1(IRS1)の分解を仲介すること、MG53の発現量の上昇はインスリン抵抗性、肥満、高血圧等を特徴とするメタボリックシンドロームを引き起こすことを示しています。インスリン応答性グルコース消失の70〜90%が骨格筋で起きていますが、MG53によりIR及びIRS1の分解が誘導されると、インスリンシグナル伝達が起こらなくなり、代謝異常が起きるとされています。糖尿病等の代謝異常を起こしているマウスにおいてMG53の発現量が増加しており、逆にMG53を除去すると、インスリンシグナル伝達の完全性が保持されることからメタボリックシンドロームを抑制することが期待されます。MG53が代謝異常やそれらに関する心血管合併症の新たな治療標的となると考えられ、今後の研究が期待されます。

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