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2015年 12月 24日 (木) 13:18:26 JST


PubmedID: 26363554
日時: 2015/12/24 01:12:26
投稿者: 北海道大学大学院 医学研究科 生化学講座 医化学分野 畠山研究室 渡部昌さん
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タイトル: TRIM39によるNFκBシグナルの負の制御
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当研究室の鈴木正宣さんが中心となって解析を行い最近発表した論文をご報告いたします。
TRIM39は6番染色体短腕MHC Class I領域にコードされ、他のTRIMファミリータンパク質と同様にE3活性を持つ遺伝子です。GWAS解析により、TRIM39遺伝子座のエキソン内に位置するSNPがベーチェット病の罹患率と相関し、免疫・炎症シグナルの制御に関わることが想定されていましたが、その詳細な機能は不明でした。
私たちは酵母を用いてTRIM39結合タンパク質のスクリーニングを行い、Cactin (Cactus-interacting protein)をその結合タンパク質として同定し、TRIM39がCactinタンパク質を安定化することを見出しました。CactinはNFκBシグナルの負の制御因子として報告されており、実際にTRIM39ノックダウン細胞で検討したところ、TNFαやPoly I:C刺激によるNFκB活性の亢進が認められ、TRIM39はCactinの安定化を介してNFκBを負に制御すると考えられました。
ベーチェット病は全身臓器に急性炎症を繰り返す難治性炎症性疾患であり、分子遺伝学的にHLA-B51抗原、HLA-A26抗原の陽性率が高いこと、またIL-23受容体、IL-12受容体β2鎖、IL-10などの免疫・炎症シグナルの制御因子がベーチェット病感受性遺伝子として同定されています。TRIM39遺伝子のエキソン内に存在するSNPもベーチェット病の罹患率と相関することから、TRIM39による免疫・炎症シグナルの制御は何らかの形でベーチェット病の発症に関与している可能性があると考えております。


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