[Forum] ユビキチンフォーラムにスレッドが投稿されました

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2013年 8月 2日 (金) 12:21:56 JST


PubmedID: 23827681
日時: 2013/08/02 12:08:56
投稿者: 名古屋大学理学研究科生命理学専攻 分子修飾制御学 中村 歩さん
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タイトル: OTUファミリーはユビキチン鎖特異性を持ち、ユビキチン鎖切断解析に使用できる
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  脱ユビキチン化酵素(DUB)は構造的にUSP、UCH、OTU、JosephinそしてJAMMの5つのサブファミリーに分類されます。OTUファミリーは現在、ヒトにおいて16個発見されており、例えばOTUB1はLys48鎖を、OTULINは直鎖状ポリユビキチン鎖を特異的に脱ユビキチン化することが知られていました。他にもさまざまなユビキチン鎖に対して特異性を持つOTUファミリーのDUBが報告されていました。
 
 今回の論文ではOTUファミリーに着目し、生化学的手法を用いて、ユビキチン鎖特異性や、結晶構造を網羅的に明らかにしています。その結果、OTUファミリーの活性にはOTUドメインのS1サイトが重要であり、S1’サイトが鎖特異性を与え活性を高めること、より長鎖のユビキチン鎖に対してはS2サイトがユビキチンと結合し、脱ユビキチン化を促進することが明らかになりました。そして少なくともLys11、Lys48、Lys63、直鎖状ポリユビキチン鎖修飾を受けることが報告されていたRIP1でOTUファミリーを用いたユビキチン鎖切断解析を行ったところ、Lys63鎖がメジャーで他の鎖は低い割合であることが明らかになりました。
  
今後の課題として非特異的なユビキチン鎖切断を防ぐこと、基質についたユビキチンや枝分かれしたユビキチン鎖に対してどのように反応するかなど、残された問題点の検証が待たれますが、OTUファミリーはユビキチン研究において強力なツールになり得るのではないでしょうか。

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