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2013年 4月 16日 (火) 17:07:49 JST


PubmedID: 23453807
日時: 2013/04/16 05:04:49
投稿者: 京都大学医学部 細胞機能制御学教室 瀧内剛さん
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タイトル: parkinはLUBACのmodulatorであるか?
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RBR familyのE3であるparkinがLUBAC活性を亢進することにより神経細胞保護作用を示すという論文です。

本研究では、parkinがLUBAC活性を亢進することによって古典的NF-κB経路を活性化させ、標的遺伝子であるOPA1の発現を上昇することにより、ミトコンドリアのintegrityを維持し、ストレス環境における細胞死を防ぐという経路を示しています。また、これはparkinにより誘導されるmitophagyとは独立していることも示されており、disucussionでは、中等度のストレスではOPA1を介する経路によりミトコンドリアを修復し、重度のストレスではmitophagyによりミトコンドリアを除去するという可能性を提示していました。

実験データですが、LUBAC/parkin/NEMO/OPA1の過剰発現系または
発現抑制系で細胞死を評価しており、非常にきれいな結果がでていました。
しかし、内在性の上記タンパクでの結合実験やTNF-α刺激によるユビキチン化など、
よりphysiologicalな実験系では評価が難しいデータが見られました。
OPA1がparkinからの経路の標的の一つであることは間違いないと思いますが、
それが生体内でどれほど寄与しているかは疑問が残ります。
また、parkinがLUBAC活性を亢進させる分子的なメカニズムについての解明も期待されます。

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